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三次の神楽

広島県の神楽は、神楽の背景にある信仰や神楽の内容などによって「比婆荒神神楽」「芸北神楽」「安芸十二神祇」「芸予諸島・沿岸部の神楽」「備後神楽」の5種類に分類されます。
各地の神楽はお互いに影響し合っているため、明確に分けることはできませんが、三次の神楽は、大きく分けて「備後神楽」と「芸北神楽」の2種類に分類されます。
プロ神楽師による日本五神楽の頂点に立つもの
備後神楽は周辺の神楽と異なり基本となる舞方、衣装、囃子、台詞の節回し等際立った特徴と独自性をもっており広島県独自の神楽です。
また五行祭は備後神楽独自のものとはいえませんが、他の神楽とは異なり発展し、登場人物も多く、長時間(8時間以上)演じられます。
日本の五神楽の頂点に立つものである、と言えます。備後神楽の担い手は本手と呼ばれるプロの神楽師です。プロの神楽師になるためには師匠に入門し、神楽の修業を積みます。
また、折敷舞と呼ばれる舞は特殊な舞で、折敷と呼ばれる盆、あるいは刀にいくつもの盃を並べながら「キリキリ舞」と呼ばれる速さで舞い、盆はおろか盃も落とさないという曲芸的な舞です。伝統的な舞と特殊な舞、そして神事や儀式を伝える、広島県の神楽の歴史や性格を知るうえで、貴重な神楽といえます。
衣装は極めて質素で、そのために役柄になりきって舞います。
石見神楽をルーツに持つ
スピーディで演劇性を強調した神楽
芸北神楽は、演出に工夫が凝らされた華麗な舞として広島県の神楽の代名詞のように広く知られる神楽です。
県の北西部を中心に広まっているこの神楽は、江戸時代の終わりごろから明治時代にかけて、島根県西部に伝わる石見神楽が3つのルートを伝って導入されたのが始まりです。
1つ目は、島根県邑南町の羽須美地区から安芸高田市高宮町や三次市作木町へ伝わったルート。2つ目は、邑南町の矢上地区から山県郡北広島町大朝地区へ伝わったルート。そして、3つ目は、浜田市金城町から北広島町芸北地域へ伝わったルートです。
芸北神楽は、基本的には石見神楽の系統ですが、昭和の中ごろから独自の発展を遂げてきました。戦後、占領下にあってGHQの検閲があったため、神道的な要素を薄めた新しい演目の台本が作られ、物語に沿って勇壮でスピーディーに展開する演劇性を強調した「新舞」が創出されました。
芸北神楽の特徴は、演目に説話や軍記など、平安以降の時代に取材した演目の比率が高く、その場での回転を特徴的に多用することや、股を割って足を踏みつける所作があることなどが挙げられます。

